8 平和主義と安全保障


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現社でGONO8 平和主義と安全保障 ★★★頻出


平和主義

❶憲法の理念

 ①徹底した1平和主義(憲法前文、第9条)

 ②2平和的生存権:平和のうちに生存する権利(憲法前文)

 ③憲法第3 条:戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認

 ④4シビリアンコントロール(文民統制):軍による政治への介入を防ぐ

  →内閣総理大臣、その他の国務大臣は文民でなければならない。

 

憲法と自衛隊

❶自衛隊の創設…朝鮮戦争の勃発が契機(1950)→GHQの指示により5警察予備隊19506保安19527自衛1954を創設

❷自衛隊をめぐる憲法論議

 ①違憲論:憲法が保持を禁じている「8戦力」に相当する

 ②合憲論:自衛のための国家の8自衛権まで否定してはいない

 政府解釈:「自衛のための必要最小限の10自衛力」はもつことが可能

  11個別的自衛権:他国から武力攻撃を受けた国が反撃する権利

  12集団的自衛権:同盟関係にある国が攻撃された場合、自国が攻撃されなくても

共同防衛にあたる権利

  →従来の政府見解:国家が権利としてはもっているが憲法によって行使は認められない

  →行使容認を閣議決定(2014年)→安全保障関連法で行使可能に(2015年)

 解釈改憲:憲法を改正せず、社会の実情に解釈を適合させる(安倍内閣において)

 

❸平和主義にかかわる国の方針 

 ①13専守防衛と非核三原則(「核兵器を持たず、つくらず、14持ち込ませず」)

 ②15武器輸出三原則:国連決議などで武器輸出を禁止する国などが対象、それ以外でも慎重に対応

 →防衛装備移転三原則:一定条件をもとに武器輸出を容認

 

❹憲法第9条に関する裁判

 ①砂川事件(1957):日米安全保障条約の合違憲性が争点

 ②恵庭事件(1962):自衛隊の合違憲性が争点

 ③16長沼ナイキ基地訴訟(1969)自衛隊の合違憲性が争点

 ④百里基地訴訟(1958)自衛隊の合違憲性が争点

 →上級審は統治行為論により憲法判断を回避(砂川事件、16長沼ナイキ基地訴訟)

 

❺日本の防衛費…自衛隊は増強され、現在では世界有数の額

 


日米安全保障条約

❶日米安全保障条約…17サンフランシスコ平和条約締結と同時に締結(1951):冷戦下、米軍の駐留を認める

18双務性が強い日米19相互協力及び安全保障条約に改定(201960年)

1970年以降、自動延長されている

❷日米21地位協定:米軍人の犯罪に対する第一次裁判権などの問題

❸「22思いやり予算」:アメリカ軍駐留費の一部を日本が負担

❹沖縄の基地問題:国土の0.6%の面積に在日米軍基地の23 74 %gが集中、事故や騒音、米兵の犯罪などの問題


図表で確認!

問1 憲法第9条をめぐる裁判についてまとめた下の表の空欄に適語を入れてみよう。

訴訟名

砂川事件

1恵庭事件

2長沼ナイキ基地

訴訟

百里基地訴訟

起訴

1957

1962

1969

1958

争点

3日米安保条約 

自衛隊

自衛隊

4自衛隊 

概要

米軍立川基地拡張に反対する学生・労働者が基地内に入り、刑事特別法違反で起訴。第一審は在日米軍は戦力にあたり米軍駐留は違憲として学生らは無罪(1959伊達判決)。最高裁は5統治行為論により憲法判断を回避し破棄差し戻し。その後有罪(1959)。

騒音被害のため演習中止を訴えた住民が通信線を切断、自衛隊法により起訴。第一審では自衛隊法違反ではないとして無罪、憲法判断は回避(1967年)。

保安林指定をめぐり住民が提訴。第一審では6  権を認め自衛隊は陸海空軍に該当し憲法違反とし住民側勝訴(1973福島判決)。第二審は

5統治行為論により憲法判断回避し、訴え棄却。

基地建設予定地の土地所有をめぐり国と基地反対住民が争う。第一、二、三審とも

4自衛隊について司法判断せず、国側が勝訴(1989年)。

センター過去問演習

2008年本試03】冷戦後の国際政治情勢の変化を受けて,日本で制定又は改正された法律・条約に関する記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

     冷戦終結後に起こった湾岸戦争を機に,国際貢献をめぐる議論が巻き起こり,その後,PKO協力法が成立した。👉⭕️

     湾岸戦争後,安全保障の重要性が強く認識されるようになり,日米安全保障条約が改正された。👉湾岸戦争後が✖︎

     防衛力の更なる充実が必要との声を受けてイラク戦争以前に防衛省設置法が成立していたため,この戦争での日本政府の対応は極めて迅速であった。👉混乱を極めた✖︎

 

     イラク復興支援特別措置法の成立によって,自衛隊が初めて国外に派遣されることとなった。初めてではない✖︎

解答:①

 

2008年本試04*】日本の安全保障に関する記述として最も適当なものを,次の①~④

 のうちから一つ選べ。

     冷戦の進行とともに,日本の安全保障に注目が集まり,サンフランシスコ平和条約では,自衛隊の創設が主権回復の条件として明記された。👉✖︎

     国際連合(国連)への加盟に際して,日本政府は新たに安全保障に関する法律を制定し,集団的自衛権の行使を認めるようになった。👉✖︎

     日米安全保障条約に基づいて米軍が駐留しているが,その駐留経費の一部を「思いやり予算」として日本政府が負担している。👉⭕️

     地方自治体で,在日米軍基地にかかわる住民投票が実施されたことがないのは,安全保障政策が国の専管事項とされているからである。👉✖︎

解答:③

 

2005年本試29*】日本の防衛政策についての記述として最も適当なものを,次の①~

 ④のうちから一つ選べ。

① 「核兵器を持たず,作らず,持ち込ませず」という非核三原則は,政府によって表明

  され,国会でも決議されている。

② 1970年代以降,防衛費はGNP比5%から10%の間で推移している。

③ 国防に関する重要事項の決定は,国会の中に設置されている安全保障会議で行われる。

④ 自衛隊の最高指揮権は,文民である防衛庁長官にある。

解答:①

 

2001年本試38防衛政策,自衛権をめぐる政府の解釈に関する記述として最も適当な

 ものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

     自国が直接攻撃されていない場合でも,自衛のため,日本政府は,密接な関係にある

他国に対する武力攻撃を実力をもって阻止することができる。

     国連平和維持活動(PKO)への自衛隊参加は,紛争当事者間の停戦とPKO受入れ合意,

活動の中立性などを条件としている。

     ある国による違法な侵略をやめさせるために多国籍軍が形成されたら,自衛隊はそれ

に参加し,武力を行使することができる。

④ 非核三原則とは,「核兵器を持たず,作らず,使用せず」のことである。

解答:②

 

2001年本試37現行の日米安全保障条約(安保条約)についての記述として最も適当なも

 のを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① アメリカ軍による日本国内の基地使用は,日本防衛のためだけに認められている。

② アメリカ軍が日本に駐留する代わりに,日本の自衛隊をこれ以上増強しないことが求

  められた。

     新しい「日米防衛協力のための指針」(新ガイドライン)に基づき,安保条約が改定され,

周辺事態法が制定された。

     安保条約に従って日本政府はアメリカ軍へ基地を提供しているが,その米軍基地のう

ち,面積にして約4分の3が沖縄県に集中している。

解答:④

 

2006年追試34】武器・兵器の貿易に関する日本の政策についての記述として最も適当

 なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

     冷戦後,武器・兵器を主要輸出品の一つとするために,主にASEAN(東南アジア諸国

連合)向けの輸出を積極的に促進した。

② 武器・兵器の輸入がほとんどなくなるまで自衛隊の装備の国産化を推し進めてきた。

③ 輸入総額に占める武器・兵器類の総額の上限を10%に設定することで,武器・兵器の

貿易を制限している。

④ 武器・兵器そのものだけでなく,軍事目的に転用可能な民生品の輸出も規制している。

解答:④