軍部大臣現役武官制が定められた背景の政治情勢


【解法のヒント】

問1

主題→陸軍省官制改正により定められた制度の名称を答える。

史料に「陸軍大臣及総務長官ニ任ジラルルモノハ現役将官ヲ以テス」とあるので、軍部大臣現役武官制だとわかる。

 

主題→この制度が定められた背景となるこの時期の政治情勢について、藩閥政府と政党との関係をふまえて説明する。

日清戦争後藩閥政府は、政党との関係を大きく変えた。軍備拡張予算を通すため政党との関係を強め予算を成立させた。そして官僚に政党員が増えたのである。このため第二次山県内閣は、政党の影響が軍部に及ばないように、軍部大臣の任用は現役の大将・中将に限定した。

問2

主題→史料B・Cの条約はワシントン条約で結ばれたものである。この二つの条約の内容および意図について説明する。

四カ国条約は、太平洋諸島の現状維持と、太平洋問題に原因する紛争の話合いによる解決である。

九カ国条約で列強が中国において新たな領土・権益を獲得することを禁じた。

これによって太平洋・東アジアにおける平和的な国際秩序の形成がめざされたことを書けばよい。

問3

主題→大本営はとはどのような機関であるかにもふれながら、大本営が首相の出席を拒否する憲法上の理由を説明せよ。

大本営は戦時・事変に際して設置され、参謀本部と軍令部を統括する最高戦争指導機関である。天皇大権のうち、各国務大臣の関与を許さない統帥権を事実上輔弼機関であったため、大本営は近衛首相の出席を拒否した。

問4

主題→日本国憲法史料Aの条文(憲法第9条)が規定された背景を、天皇制をめぐるGHQの占領政策や天皇制に対する国際的世論の観点から説明する。

 

GHQは天皇制制を占領政策に利用しようとしたが、連合国の中には、日本の軍国主義復活を懸念する声も。そこで日本に再び戦争することにないよう、戦争放棄・戦力不保持が定められた。