御霊会


菅原道真は日本のヒーローである。多くの受験生が北野天満宮にお参りしその御利益を得る。すごいですね。そのパワー恐るべし。

 道真は偉大なり。私の自宅から300mのところに菅原神社がある。こんなところにも道真がいる。ああすごい。

藤原時平の命を奪った道真の霊は、その後ますます激しさを加え、時平の子孫たちを次々と死に追いやり、923年、醍醐の皇太子保明親王の命まで奪うにいたる。

 ところで、この頃までに、道真の怨霊は密教究極の仏大日如来の化身である帝釈天の弟子、観自在天神にあたり、龍や雷を操って危害を加える神という認識が形成されていたらしい。かくして、903年6月26日、清涼殿に落雷が起こるや、またたくうちに道真霊=天神が火雷火気毒王という使者を送ってもたらした祟りというとらえ方が人々の心をつかまえるにいたる。

 

 理不尽な処置で人を死に追いやれば、その霊魂はその罪を犯した人すべてに報復を加え、ついには最高責任者たる帝王をも殺してもいたしかたないという認識が、当時の日本社会を覆っていたことは確実である。『神仏習合義江彰夫