NO7 新しい人権


ダウンロード
現社でGO!7 新しい人権.pdf
PDFファイル 208.5 KB

現社でGONO7 基本的人権の保障③ ★★★頻出

 〜社会権・参政権・請求権〜

❶社会権

◎生存権(憲法第25条)

 国民に「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障している。また、国民に対して「社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進」の義務を課している。ただし、朝日訴訟、堀木訴訟において、最高裁は、第25条は国政運営上の指針を宣言したものにすぎず、直接個々の国民に具体的権利を与えたものではないとする➡プログラム規定説を採用した。

朝日訴訟

生活保護の給付額を増額するか否かは、厚生大臣(現厚生労働大臣)の裁量に属する(最高裁、1967)。

堀木訴訟

児童扶養手当と障害福祉年金の併給を制限することは、立法府の裁量に属する(最高裁、1981

◎教育を受ける権利(同第26条)

 すべての国民に対して、「能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利」を保障している。また、子女に普通教育を受けさせる義務、義務教育の無償化についても規定している。

◎勤労権(同第27条)

 国民の勤労の権利と義務を規定している。また、勤労条件の法制化、児童酷使の禁止についても規定している。ただし、勤労条件の最低基準は、労働基準法などで具体的に規定している。

◎労働三権(同第28条)

団結権(労働組合を結成する権利)、団体交渉権(労働組合などがその構成員の労働条件の維持、改善のために使用者と交渉する権利)、争議権(労働組合がストライキなどの争議行為をする権利)を保障している。ただし、公務員は、法律によって労働三権を制限されている。

❷参政権 ★★★頻出

◎選挙権・被選挙権(同第154344条)

 「成年者による普通選挙」や秘密投票などを保障している。また、人種、信条、性別などによって選挙人の資格を差別することを禁止している。

定住外国人地方選挙訴訟

 憲法は、定住外国人に地方選挙における選挙権を付与することを禁じていない(最高裁、1955

◎公務員の選定・罷免権(同第15条)

 国民に対して、すべての公務員を選定し罷免する権利を与えたものではない。国民主権の理念に基づいて、選挙権が基本的人権として保障されるものであることなどを根拠づけている。

 

◎直接民主制に関連する権利

日本国憲法は、間接民主制(代表民主制)の採用をうたっているが(前文・第43条)、直接民主制的な仕組みも例外的にいくつか認めている。

最高裁裁判官

の国民審査

最高裁裁判官は、国民審査で投票所の多数が罷免を可としたときは罷免される(第79条)。今までに罷免された裁判官はいない。

地方特別法の

住民投票

国会が特定の地方公共団体だけに適用される法律(地方特別法)を制定するには、その地方公共団体の住民投票で過半数の賛成を必要とする(第95条)。★大阪都構想などがタイムリー

憲法改正の

住民投票

憲法の改正には、国会の発議を受けて行われる国民投票で過半数の賛成を必要とする(第96条)。

※直接民主制的仕組みには、イニシアチブ(国民発案)、レファレンダム(国民投票)、

リコール(国民解職)の3つがある。表中の「地方特別法の住民投票」「憲法改正の国民投票」は、➡レファレンダム、「最高裁判所裁判官の国民審査」はリコールにあたる。

❸請求権

◎請願権(同第16条)

 法律の制定・改正などについて「平穏に請願する権利」を保障。具体的には、法律の制定などを文書により国会などに申し出ることができる。ただし、受理期間に請願の内容を実現するための具体的な措置をとる法的な義務はない。

◎国家賠償請求権(同第17条)

 公務員の不法行為によって損害を受けた場合、国・地方公共団体に対してその賠償を求めることができる。

郵便法事件

 書留郵便の遅配などについて国の賠償責任を制限している郵便法の規定は、国家賠償請求権を保障する第17条に反し違憲(最高裁、2002)。

◎裁判を受ける権利(同第32条)

すべての人は、裁判を受ける権利を保障される。また、刑事被告人は、「公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利」(第37条)

を有する。

◎刑事補償請求権(同第40条)

 刑事被告人が無罪判決を受けた場合、国に対しその補償を求めることができる。

センター試験の極意1

最高裁は語る、生存権は「プログラム規定」である。

1 検閲の禁止

   …➡検閲とは、公権力が書物の出版などに先立ち内容を審査する。

2 通信の秘密プライバシー保護との関連でも重要

センター試験の極意2

人身の自由は少し細かい知識にも目配りを

1 令状主義の例外…➡現行犯の場合

2 国選弁護人制度…原則として刑事被告人が対象

 

 

 

センター過去問演習

2009年本試30】日本における外国人の人権状況の記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

     最高裁判所は,憲法の保障する権利は国民固有の権利であり,外国人の人権は政策的に認められているにすぎないとしている。

👉✖︎外国人と雖も人権は尊重されなくてはいけない。

     最高裁判所は,日本に永住している外国人に対して国政選挙における選挙権を付与することは,憲法上禁止されていないとの判断を示した。

👉✖︎国政は禁止されている。

     外国人が単純労働者の資格で入国することは可能となったが,その労働条件や生活支援などの面で問題が指摘されている。

👉✖︎単純労働での入国は禁止

④ 外国人に対しても請願権は保障されており,国会などに請願を行うことができる。⭕️

解答:④

 

2006年本試22現代社会に特有の諸問題に対処するために,日本国憲法に個別具体的に規定されていない「新しい人権」が主張されている。そのような「新しい人権」に関する記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 行政の活動分野の拡大に伴って重視される国家賠償を求める権利👉✖︎

② 裁判員制度の導入に伴って重視される裁判を受ける権利✖︎

③ 良好な自然環境や生活環境の享受を目指して重視される環境権👉環境権は新しい人権の一つ⭕️

④ 失業対策など雇用環境の改善を目指して重視される勤労権✖︎

解答:③

 

2006年本試14】国際条約の批准に伴う議論の高まりのなかで,人権をめぐる日本国内の法制度整備が進むこともある。そのような例についての説明文として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

     難民条約の批准に合わせ,政治的迫害又は経済的困窮のために母国を出た外国人が,日本政府の難民認定を受けられるよう,法律が改正された。

     子どもの権利条約の批准に合わせ,嫡出でない子の財産相続分を嫡出子よりも低く定めていた民法の規定が改正された。

     女性差別撤廃条約の批准に必要な国内的条件整備の一つとして,男女雇用機会均等法が制定された。

     パート労働者の権利に関するILO条約の批准に必要な国内的条件整備の一つとして,フルタイム従業員との賃金差別を禁じる法律が制定された。

解答:③

 

 

2005年本試11】日本における情報公開法に関する記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

     国の安全保障や個人に関する情報は開示されない場合もあり,外交・防衛・捜査情報を開示するか否かは,関係する行政機関の長の判断による。

     各機関に対して行政文書の公開を要求できるのは,日本国籍を有し,日本国内において定職に就いている成人に限られている。

     この法律は政府が自らの活動を国民に説明することを目的としており,その意味から衆参両院や裁判関係の書類も公開対象に含まれる。

     情報公開の対象となる公開文書とは,紙に印刷された情報を指し,電子的な媒体に記録された情報を含まない。

解答:①

 

2004年本試24*】国際人権規約,人種差別撤廃条約,女性差別撤廃条約,子どもの権利条約などの国際条約に従い,条約違反に当たる差別を撤廃するために日本でとられた措置として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ

① 18歳未満でも,夜12時以降の深夜労働が可能になった。

② 地方自治法が改正され,外国人も地方公務員に採用できるようになった。

③ 尊属殺人を特に重く処罰するという刑法の規定が削除された。

④ 学習指導要領が改訂され,高等学校で家庭科が男女必修となった。

解答:④

 

2002年本試40*】新しい人権の一つとして環境権がしばしば主張される。環境権に対する見方を述べた次のア~エと,その法的根拠について述べた次のA~Dとの組合せとして最も適当なものを,以下の①~④のうちから一つ選べ。

ア 環境権は,国家に対して個人が良い環境を享受できることを要求する権利であり,健康で文化的な生活を営む権利に含まれる

  ものである。

イ 環境権は,対象となる環境の範囲や権利内容が極めてあいまいで,また権利者の範囲も確定できないため,法的に権利として

  認められない。A

ウ 環境権は,国家による積極的な環境保全を要求するだけでなく,幸福追求権に基づいて,国家による侵害を排除する自由権と

  しての性格をも有する。

エ 環境権の主張のうち,人の生命,身体,精神及び生活に関する部分は人格権で保護されており,これに基づいて侵害行為の差

  止めを請求できる。

A 環境権は憲法や法律に根拠を持たないとする立場

B 環境権の内容の一部を,主として民法を根拠として認める立場

C 環境権の根拠を憲法13条と25条に求める立場

D 環境権の根拠を憲法25条に求める立場

             ア―C       イ―B       ウ―D       エ―A

             ア―D       イ―A       ウ―C       エ―B

             ア―D       イ―B       ウ―C       エ―A

             ア―C       イ―A       ウ―D       エ―B

解答: