NO4  日本国憲法と三大原理


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現社でGONO4 日本国憲法の基本的性格 ★★★頻出

 

❶明治憲法(大日本帝国憲法)と日本国憲法

公布

天皇が制定した欽定憲法として、1889年に発布。

国民が制定した民定憲法として公布(1946)、施行(1947)

天皇

神聖不可侵。元首。天皇主権。統治権の総攬者(統治権を一手に握る)。必要と認めた場合、勅令を発することができる。

日本国と日本国民統合の象徴として、➡国事行為のみを行う。ただし内閣の助言と承認が必要

戦争

天皇は➡統帥権(軍の指揮命令権)をもつ(議会・内閣は関与できない)。

平和主義(戦争放棄・戦力の不保持・交戦権の否認)

権利

自然権とは考えておらず、天皇によって恩恵的に与えられたもの(➡臣民の権利)で、法律によって制限可能なものであった

(「法律の留保」)。表現の自由、宗教の自由などの規定は一応あったが、思想・良心の自由、学問の自由、社会権は規定がなかった 

永久不可侵の権利として保障。ただし、「公共の福祉」により制約される場合がある。社会権の規定もある

義務

兵役の義務。納税の義務。

子どもに教育を受けさせる義務、勤労の義務、納税の義務。

議会

明帝国議会は天皇の立法権の協賛機関。

貴族院(非民選)と衆議院(民選)の二院制で、両院対等。

日国会は「国権の最高機関」であり「唯一の立法機関」。

衆議院参議院の二院制で衆議院が優越

内閣

内閣の規定はなく、各国務大臣が天皇の行政権を単独で補弼(補佐)する。首相(内閣総理大臣)は、元老(天皇の相談役)の推薦により天皇が任命する。

行政権の主体。首相は、国会の指名に基づき天皇が任命する。

裁判所

天皇の名において裁判を行う。通常の司法裁判所とは別に、特別裁判所(行政裁判所)・軍法会議・皇室裁判所)を設置。

違憲立法審査権はない

司法権の独立を保障。特別裁判所の設置を禁止。 

違憲立法審査権がある

地方自治

地方自治の規定はない。府県知事は天皇によって任命され、内務大臣の指揮・監督を受ける。

「地方自治の本旨」を規定し、住民自治と団体自治を保障している。

❷日本国憲法の制定 ★

 ポツダム宣言の受諾後、➡GHQ(連合国軍総司令部)は日本政府に対し憲法改正を指示した。これに基づき、日本政府は憲法改正案(松本案)をGHQに提出したが、基本的な内容が明治憲法とほとんど変わらぬものであったため、GHQは拒否し、逆にマッカーサー草案を日本政府に提示した。これをもとに最終的な政府案が作成され、帝国議会で審議・修正・可決された(明治憲法の改正という形をとったことになる)。

❸日本国憲法の三大原理 ★★ここは頻出!

◎国民主権

主権が国民に存すること」(前文)をうたい、象徴としての天皇の地位が

主権の存する日本国民の総意に基く」(第1条)ことを規定している(明治憲法における天皇主権の否定)。

◎基本的人権の尊重

 基本的人権を「人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」(第97条)として歴史的に位置づけ、「侵すことのできない永久の権利」(第1197条)と規定している。

◎平和主義

 前文で国際協調主義、「平和のうちに生存する権利」、第9条で戦争放棄戦力の不保持交戦権の否認をうたっている。

❹憲法の最高法規性 ★

 日本国憲法は国の最高法規であり、これに反する法律・規則・命令・処分などは無効とされている(第98条)。この規定に実効性をもたせるため、裁判所に違憲立法審査権を与え(第81条)、天皇・国務大臣・国会議員・裁判官その他の公務員に対して憲法尊重擁護義務を課している(第99条)。これらの規定は、「法の支配」の考えが具体的に現れたものといえる。


❺憲法改正の手続(憲法第98条)

  

センター試験の極意1

 

極意1 明治憲法の体裁は一応近代的、しかしその実体は?

1 天皇神聖不可侵、主権者、統治権の総攬者、統帥権の保持

2 統治機構…帝国議会は天皇の立法権の➡協賛機関、各国務大臣は天皇の行政権の➡輔弼機関、裁判所は天皇の名において裁判を行う

3 権利…天皇によって恩恵的に与えられたもので、法律によって制限可能

 

 センター試験の極意2 ★★新しい法律頻出!

国民投票法の具体的な内容を押えよう!

国民投票の投票資格18以上の日本国民。

 

2000年本試24*】大日本帝国憲法と日本国憲法との異同についての記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

  大日本帝国憲法では保障されていなかった信教の自由が,日本国憲法では保障されるようになった。👉信教の自由は両方とも保障❌

  日本国憲法では,大日本帝国憲法と同じように,基本的人権は法律の範囲内でのみ保障されている。👉日本国憲法の基本的人権は永久不可侵❌

     大日本帝国憲法では認められていた天皇の緊急勅令を出す権限が,日本国憲法では否定された。⭕️

     日本国憲法では,大日本帝国憲法と同じように,裁判所に,法律,命令などが憲法に適合するかどうかを決定する権限が認められている。大日本帝国憲法に違憲立法審査権はない❌

解答:③

 

2002年追試17*】日本国憲法に関する記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

  日本国憲法は,占領下で制定されたため,連合国軍総司令部(GHQ)が作成した憲法草(マッカーサー草案)を修正することなく作られている。一部修正❌

     日本国憲法は,天皇の統治権を否定したが,なお,天皇を神聖にして侵すべからざる象徴であるとしている。

👉❌天皇は神ではない!

     日本国憲法は,第二次世界大戦の反省から,戦争を放棄し,交戦権を否認すると規定しているが,戦力の不保持については規定していない。❌戦力の不保持を規定

     日本国憲法は,最高裁判所を違憲立法審査権を持った終審裁判所と規定し,憲法の番人としての役割を期待している。

👉⭕️

解答:④

 

2006年本試211946年に公布された日本国憲法に関する記述として適当でないものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

     天皇又は摂政及び国務大臣,国会議員,裁判官その他の公務員は,憲法を尊重し擁護する義務を負う。⭕️

     内閣は行政権の行使に関して国会に対する連帯責任を負い,他方,国会は各国務大臣を罷免する権限を有する。罷免するのは👉内閣総理大臣

     国政は,国民の信託によるものであり,その権威は国民に由来し,その権力は国民の代表者が行使する。👉⭕️

④ 裁判所は違憲立法審査権を有しており,最高裁判所はその終審裁判所である。

👉⭕️

解答:②

 

2006年本試20】憲法とは国家の基本的な組織やあり方を決めた法である。日本では,1889年に大日本帝国憲法が発布されたが,その内容は日本国憲法とは大きく異なる。大日本帝国憲法に関する記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

     人権は生まれながらに与えられるものと考えられていたが,公共の福祉のための人権制約は可能であった。

👉人権は永久不可侵❌

     地方自治が保障されていたが,地方自治体の事務の多くは国の指揮監督下で行う機関委任事務であった。

👉明治憲法に地方自治はない❌

     軍の指揮監督と組織編成を行う権限は,文民統制の考え方の下,内閣総理大臣に与えられていた。

👉これは日本国憲法の規定❌

     司法権は裁判所に与えられていたが,天皇の名において行使されており,特別裁判所の設置も認められていた。

👉⭕️

解答:④