23 室町期の経済の発展


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2016版を配信中!全面改訂版です。三学期の初めにプリントを配布します。

23 室町期の経済の発展                   

⑴諸産業の発達

 ①農業

ア 寛正の飢饉1461 慢性的な飢饉への対応

 ⒜食糧生産は倍増。耕地面積は平安時代中期が862000町歩であるのに対し、室町時代初期は946000町歩でほとんど増えていない。多肥多毛作だから。

  二毛作普及(関東まで)畿内は三毛作(米・麦・ソバ) 

 ⒝稲の品種改良や大唐米(多収穫米の普及)

イ 畑作➡桑・苧・荏胡麻・楮・漆などを栽培

 「老松堂日本行録」は朝鮮の宋希景1420年、義満が倭寇禁圧を約束した答礼使として来日した時の記録である。「尼崎に宿る。日本の農家は秋に耕して大麦、小麦を蒔き、明年の初夏に収穫し、そのあとに稲の苗を植え、初秋に収穫し、また、ソバを蒔き、初

冬に収穫する。このように一つの水田で一年に3種類も収穫できるのは、川をせき止めて水を蓄えて水田としたり、水を落として畑にしているからである」。

 

鎌倉と室町との対比

宋銭… 元銭……………

……明銭

種々の輸入銭が流通

 

永楽通宝)など

→粗悪な私鋳銭が流通

為替、(地頭)年貢の銭納

(農民)

公事・夫役の銭納

→遠隔地取引に為替、年貢の銭納

三斎市

六斎市

 


見世棚

        発達

常設の小売店が増加していく

借上

土倉・酒屋・祠堂銭

→高利貸業者

 

頼母子・無尽

→庶民が講を結んで行った相互金融。頼母子(無尽)は庶民がお金を出し合って融通しあったもの

廻船

発達

→瀬戸内海などの海運に従事

問丸

問屋

 

 

馬借・車借

京都の周辺



商品流通の発達は貨幣需要を増大させた。宋銭や明銭では不安なため、次第に私鋳銭が多く流通するようになった。悪い銭の受け取りを拒否したり良悪に応じて価格差をつけたりする撰銭が横行し、流通を阻害することとなった。

 ②貨幣

  ア 宋銭 や明銭(永楽通宝ど)

イ 年貢の代銭納が広まる

 

 ③交通・流通の発達

  ア 担い手➡供御人神人 

  イ 京都➡大消費市場 

   見せ棚や振売

   (炭や薪を扱う大原女・鮎を扱う桂女

   ⒝高利貸業者…土倉酒屋寺院

質物を保管する土塗りの壁の蔵を有していたので→土倉。商人らは災害や戦乱に備えて財産や証文を預けていたので、これらを元手に高利貸を営んでいた。

寺院→祠堂銭金融

  ウ 交通の要地:湊・津や宿が形成

   ⒜問屋(卸売業者・問丸から成長)や割符屋(為替を扱う業者)

(1) 割符屋に現金をもちこんで手形(割符)をもらう。

(2) 相手にその手形(割符(さいふ))を送る

(3) 手形(割符)を受け取った相手は最寄りの割符屋に手形を持ち込み,手形に記された金額の銭を入手する。こういう手順をとります。

   ⒝廻船、馬借車借(零細な陸運業者)

   ⒞行商人…連雀商人

   見せ棚(常設店舗)や定期市(応仁の乱後に六斎市

  エ …供御人・神人の称号根拠に全国展開

   ⑴大山崎油座(石清水八幡宮)荏胡麻を使った灯油の座、本所は源氏の氏神

   ⑵(酒)麹座(北野神社)→京都市中の酒屋に酒麹を独占的に販売した

   ⑶綿座(祇園社=八坂神社)教科書137❷参照

 

鎌倉   南北朝期

室町

(師)

鋳物師

製紙(紙すき)

紺屋(こうや)(染色業)

(備前)刀剣(出雲)鍬

(能登)釜

(美濃)美濃紙(播磨)杉原(すいばら)(越前)鳥の子紙

 

(京都・西陣)絹織物

(越中・越後)麻布

(尾張・美濃)陶器

 

(惣村)の形成…惣「すべて」の意

 ①構成…広い階層の百姓により構成

  ア 名主➡ 地侍 …惣の指導者層の有力農民で、守護と主従関係を結んで侍身分を確保

     See132P❸⇆国人は地頭など在地のプチ領主支配者身分

  イ 新興の 小百姓 …作人の発言力強まる・下人の自立化

     鎌倉後期以降の農業生産力の発達を背景に、畿内近国を中心に小百姓の

     成長が著しく、それまでは名主を中心としたまとまりにすぎなかった村落に、

     新興の小百姓が全体として集団行動をとるようになっていった。

 ②惣村の性格

  ア 百姓の生産と生活のための共同体➡共同して経営や維持

   灌漑施設や入会地(共同利用の山野)を共同管理

  

  イ 地域支配の自主的な担い手…領主の支配を排除

   村掟(惣掟)を制定…村の秩序維持

   自検断(地下検断)…警察・裁判権を惣全体で行使

    領主の警察・裁判権を排除し、村内部の私的制裁も抑制し、惣全体で警察・

    裁判権を行使した。

   ⒞地下請(百姓請)…年貢納入を惣全体で行うことで外部勢力の介入を排除 

  

  ウ 領主や近隣の村々との交渉主体

   一揆を結んで領主と交渉、近隣の村々との境界争いや戦乱に対処

    領主に対しては強訴逃散といった手段で年貢減免などを要求した。

 ③結合の中心…鎮守社の祭祀➡祭祀組織=宮座 

  一味神水といって、神に誓った起請文を神前で焼き、それを水に混ぜて一同が回

  し飲みすることで意思統一を図った。

 ④運営=自治運営

  ア 基盤…独自の経済基盤と武力を保持

  イ 指導者層…おとな沙汰人番頭など←地侍

  ウ 寄合を開いて村政運営を合議

  (名主の下、土地を借りて耕作する作人や隷属農民の下人は寄合に参加できない)

 ⑤地域的な広がり…領主の違いを越えて広く周辺の村々と結合➡土一揆の基礎

 

の形成

 ①両側町…道路を挟んで両側の商工業者が結びついて形成→構成員=町衆 

 ②町の性格

  ア 商工業者による経済活動・生活のための地縁的な共同体 

座における供御人・神人が本所との関係を軸とする集団であったのに対し、町は→地縁を軸とした集団。

  イ自治組織…町掟を制定→月行事を中心に運営